深夜、自宅マンションから出ると夜空は快晴に星が輝く。前回と同じシチュエーションにニンマリとなる。 そして、もう少しマンションから離れると建物に隠れていた月が大きな顔を出した。 今夜は1年で最も大きくなる「スーパームーン」でも有り、まさに自宅上空は「台風一過」の様相に染まっていた。 前回から中3日での台風一過狙いの山行き、まずは幸先良く始まり、夜明けをあまり疑うことは無かった。 大分市を外れ長湯に入るが変わらずの星空にスーパームーン。 おまけに運が良ければペルセウス座の流星も、と広がる。 長湯の外れで月に照らされる九重連山が目に見えてきた。ここで今までのトーンが一気に変わって行く。 九重連山は中腹から上が厚くしつこそうなガス雲にシッカリと覆われている。その上空は快晴なのだが・・・。 先へ進んだ久住高原「くじゅう花公園」近くで車から降りて様子を見るが、風も出てきて瀬の本方向はガス空。 仕方なくそのガスに向かって突き進む。この時点でかなりの確率での撃沈は覚悟した。 瀬の本から牧ノ戸峠へと進むにつれてそのガスは濃さを増し、風も同様だった。 午前1:00、車3台の停まるガスに霞む牧ノ戸登山口に到着する。風に車を揺られながら約1時間目をつむる。 午前2:30、濡れるほどでは無いガス雨と風に打たれながら、牧ノ戸登山口を出発する。 沓掛山を越え、終始5〜10mほどの視界に眼鏡を拭きつつ上げる。足跡を確認するが先行者は居ないようだ。 きっとこんな天候だから後続者も居るはずは無いだろう。こんな夜はやけに人が恋しくなる・・・。 やや強めた風とガス雨に視界不良の中、扇ヶ鼻分岐を過ぎて西千里に差し掛かると突然、、 左直前から白いものが!!!。 ハッとして、身じろぎながら良く見ると先行者だった。先行者は居ないものと決めつけていたし、 西千里と言う事かもしれない。 その先益々酷くなる風とガス雨の中、水しぶき飛ばせる御池の縁を回り、午前4:30中岳山頂に到着する。 西寄りの強風がガス雨を酷く叩きつける山頂。気温14度。風を避け窪みに傘を差して丸くなる。 とっくに夜明けは諦めてはいるが一応日の出時刻は山頂で迎えようと、1時間程耐える。そして、 迷いのない撃沈。 「ダイヤモンド大船」でもあったが、最初から期待出来なかったせいもあり、かえってスッキリと中岳を後にする。 ガス雨はもはや暴風雨に変わり、合羽を切らずに池の小屋へ向かってビッショリ。 そこに居られたのが超久しぶりのとしちゃん だった。 そう、西千里の幽霊はとしちゃんだった。(幽霊にしてすみません。) 池の小屋でとしちゃんと2時間程ガスの晴れるのを待ったが、時間が掛かりそうなのでお先に失礼する。 としちゃんの為にもガスが晴れることを願いながら下山し、午前9:00牧ノ戸登山口に到着する。 今日はザックからカメラを出すことなく久しぶりの「完全なる撃沈」であったが、なんかスッキリ。 たまにはいいか。 午後からの仕事の為に花散策はお休みで帰路に着く。 |