低気圧が急速に発達しながら日本海を北上する1日夜、午後8:00前九重へ向けて自宅を出る。 ほぼ撃沈確実と自分でも思うが、こんな日のわずかな確率を狙わないと劇的な景色には巡り会えない。 途中、長湯辺りから暴風雨にもまれながら、木の葉や枝の散乱する道を慎重に進む。 午後10:00前、牧ノ戸峠に到着して暴風雨の中仮眠に入る。当然、雨風の音で熟睡は出来ない。 一度午前2:00に起き上がり外の様子をうかがうが、強い風にガス雨で再度寝に入る。 午前3:00過ぎに起きてみると、風は強いがガス雨は濡れない程度に収まり、 午前4:00牧ノ戸登山口を出発する。 強い風も沓掛山を越えて鞍部まで下ると嘘の様に納まる。足跡を確認するが、 先行者は居ないように思えた。 相変わらずのガスに覆われたまま扇ヶ鼻分岐まで上げると、納まっていた風が再び吹き付けてきた。 そして空池の縁に差し掛かった所で辺りのガスが開けて天狗ヶ城山頂が目に飛び込んできた。 慌てて天狗ヶ城に取り付き、北千里から吹き上げる強風に背中を押してもらいながら午前5:40頃、 山頂に到着する。 山頂には誰も居らず、東側へ避けてふと下を見ると、少し中岳側へ下りた所で三脚を立て構える人が一人。 先客がいた!。 到着時の山頂は西寄りの強い風が吹き付けガスに覆われていたが、間もなく開けて行った。 日の出10分前頃、雲が焼け始めたが、ガスにも覆われて良いショットは撮れなかった。 そして日の出、東の地平線上のわずかな隙間から強い輝きと共に朝日が現れた。 あの嵐からは想像出来ない日の出だ。 大気も綺麗で日差しも強く、回りの山々やガスを眩しく照らす。風で寒かった体も急に暖かくなる。 日の出後ブロッケンを求めて中岳へ急ぎ、約2時間、 太陽とガスと格闘しながら貸切でブロッケンを楽しんだ。 午前8:30頃、中岳を後にして再度天狗ヶ城に寄って下山路に着く。 少な目の登山者と挨拶を交わしながら牧ノ戸へ。 |