期待していた雪が降り、天気予報は晴れの土曜日、夜明けは際どい感じだがそこを狙わないと絶景も味わえない。 予定通り大船山へ朝駆けだ。前回、大船山で「九重連山を歩く」のYさんから、 大船山はわざわざ登る山だと教えられた。 では、と言う事で大船山へわざわざ登ることにした。 大船山への朝駆けは去年の紅葉時期以来で久しぶりでもある。 登山口は男池からも考えたが、やはり私には時間的にきつく、 やや雪も心配だが最短ルートの今水登山口からとする。 星空の下、大分市から約1時間の今水登山口に到着する。 この時期今水から朝駆けする人は居るはずも無く、車は無し。 普段なら山頂まで2時間30分、雪を考慮して3時間の登山時間を考え午前2:30、 気温氷点下5℃の今水登山口を出発する。 2〜3センチの積雪の林道を5分くらい歩き、左手に現れた取り付き口から登り出す。 トレースは当然のごとく無い。 やや登った斜面の途中では登山道は消え失せてルートを探りながら上げて行く。1時間後、岳麓寺分岐到着。 前セリから、いよいよ長丁場のきつい大船山東尾根ルートへと取り付く。 積雪は増え、残雪上に10センチほどの新雪。 この東尾根の途中でも所々で登山道が積雪で分からなくなり尾根を詰めながら上げて行く。 途中から風も強くなり唸り声と共に右手方向から叩きつける。見上げるといつの間にか星空は消えて暗く沈む。 急斜面をクリアーしてやや緩やかな台地に上げてからも、雪で登山道はけされややさ迷いながら進む。 今回迷った部分は何時もなら登山道の形状で割と分かりやすいルートな為に、 反射テープも設置されて無かった。 暖かくなり雪も融けてこの大船山東尾根ルートをやや甘く見ていた感が有る。 積雪期は十分注意する必要を再認識した。 思ったよりも悪戦苦闘しながらアイゼンも付けなかった割には、通常期と同タイムの2時間30分で山頂到着。 やはりこのルートは早い。少々きついが、この私でも大船山頂まで2時間30分とは、魅力的なルートである。 予定より30分早めの午前5:00丁度、気温氷点下8℃、北西の強風吹き付ける大船山頂に到着する。 状況は何度体験しただろうか、大船山特有の雰囲気を持つ嵐のホワイトアウトである。 風を避けて御池側に少し下りて長い日の出時刻までを待つ。気温はそう低くないのに何故か体には応える。 そして日の出時刻、時計を見た訳でもなく教えられる。むなしく上空のガスが赤く染まる。もう少しなのに。 やはり「撃沈」であった。がしかし天気予報は晴れ、いずれ晴れる。 ガスが有ると言う事は晴れ際のブロッケンへ期待する。 日の出時刻後、気を取り直して長期戦覚悟でガスの晴れるの待っていると、山頂に一人の登山者が!。 挨拶を交わすと、その登山者は女性でしかも見覚えの有る顔、半信半疑で名前を尋ねたら、 やはり佳代さんであった。 この雪の中を男池から登られたとの事、恐るべしウーマンパワー。日の出には間に合わなかったが、 正解であった。 その後しばらくガスの晴れるを待つことになったが、佳代さんのお蔭で時間と寒さを感じずに済んだ。 感謝である。 そして、待ちに待ったガス晴れの時が訪れた。強風に乗ったガスが北から南に走り、 そのガスにブロッケンが写される。 久しぶりの大船山のブロッケン、やはり九重連山を背景とする大船山のブロッケンは他とはスケール感が違う。 割と長かったガス晴れの時も終わり、山頂下や御池やらを写真に納め、大船山頂を満足感と共に後にする。 下山路は今回も段原から米窪廻りして風穴に下り、長々とお付き合いして頂いた佳代さんと左右へ分かれた。 午後1:00頃、今水登山口に到着して暖かな春の日差しの下、愛おしいスプリングエフェメラルに会いに行く。 |